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受験後がゴールじゃない進路支援 できるかなよりやってみたいを育てる安心の作戦会議

3 日前
読了時間: 6分

進路の話になると、どうしても「どの学校を受けるか」「合格できるか」に意識が集まりやすくなります。もちろん受験は大切です。準備も必要ですし、不安になるのも自然なことです。


でも、本当に考えたいのはその先です。


合格通知を受け取った翌日から、また日々の生活が始まります。 朝起きること。通うこと。授業を受けること。人と関わること。自分のペースを保つこと。 進路支援で大切なのは、受験そのものだけではなく、その子が次の場所で少しでも安心して歩き出せるかを一緒に考える姿勢です。


Eye-level view of a student looking at a notebook in a quiet learning room
進路の話は、安心して考えられる場所から始まります。

受験後の生活まで見て進路を考える


「合格」が目標になる時期があります。 模試の結果、内申点、出願先、面接練習。目の前にやることが多いほど、受験日までを走り切ることが第一になります。

けれど、進路支援では「入れそうな学校」だけで決めないことが大切です。

たとえば、次のような視点があります。


  • 毎朝その時間に通えそうか

  • 通学にかかる負担は大きすぎないか

  • 教室の雰囲気は合いそうか

  • 体調が崩れたときに相談できる仕組みがあるか

  • 勉強の進み方が今の状態に合っているか

  • 欠席が続いたときに戻りやすいか


特に、不登校の進路支援では「合格できるか」だけでなく、「入学後に息切れしないか」を丁寧に見ます。これは甘やかしではありません。続けていく力を守るための現実的な準備です。

進路は、受験で終わりません。受験は次の生活への入口です。だからこそ、志望校を選ぶときは、合格可能性と同じくらい、その場所で自分らしく過ごせる可能性を見ていきたいのです。


「何がしたいか」が言えなくても進路は考えられる


進路相談でよく聞かれるのが、「将来何がしたいの?」という質問です。


この質問にすぐ答えられる中学生は、実は多くありません。まだ経験していないことのほうが多く、職業や学校のイメージも限られています。答えられないからといって、考えていないわけではありません。そんなときは、「やりたいこと」より先に、やりたくないことやNGなことを出してみる方法があります。


たとえば、こんな声です。


  • 人が多すぎる場所は苦手

  • 毎日長い時間の通学はしんどい

  • 競争が強すぎる雰囲気は合わない

  • いきなり全日制で毎日通うのは不安

  • 先生に質問しづらい環境は避けたい

  • 休んだときに置いていかれる感じが怖い


これは後ろ向きな考えではありません。むしろ、とても大切な自己理解です。


「これだけは避けたい」が見えると、選択肢を減らすのではなく、合う形を探しやすくなります。通信制、定時制、サポート校、高等専修学校、地域の高校、オンラインを組み合わせた学びなど、道はいくつもあります。

受験 志望校選びでは、偏差値や評判だけではなく、「自分にとって負担が大きすぎない条件」を整理することが欠かせません。


やりたいことがまだ見えなくても大丈夫です。まずは「これは少し安心」「これは無理をしすぎるかも」と分けるところから、進路の輪郭は見えてきます。


安心できる場所があると人は動き出しやすくなる


人は、不安が強すぎると動けなくなります。やる気がないのではなく、心と体が警戒している状態です。

だから進路支援では、情報を渡すだけでは足りません。安心して迷える場所、失敗しても責められない場所、言葉にならない気持ちも受け止めてもらえる場所が必要です。


たとえば、こんな関わり方があります。

いきなり決めさせずに試す


「この学校にするかしないか」をすぐ決めるのではなく、まず資料を見る。次に説明会の動画を見る。行けそうなら見学に行く。玄関まで行くだけでもいい。

小さな段階を作ると、「できるかな」だけで止まらず、「ここまでならやってみたい」に変わることがあります。


話す相手を一人に絞る

大勢の前で気持ちを話すのが苦手な子もいます。担任、スクールカウンセラー、塾の先生、フリースクールのスタッフ、親戚など、安心して話せる大人が一人いるだけで違います。


進路の話は正解探しではなく、作戦会議です。責められないとわかると、本音が少しずつ出てきます。


家の中にも避難場所を作る

保護者にとっても進路は不安です。「このままで大丈夫かな」と焦る日もあります。だからこそ、家での会話が毎回進路の確認になると、子どもは逃げ場を失います。


「今日は学校の話をしない時間」を決める。食事中は雑談だけにする。散歩や車の中で短く話す。釧路のように冬の移動が大変な地域では、オンライン相談や電話相談を組み合わせるのも一つの作戦です。

安心は、甘えではありません。次に進むための土台です。


Wide-angle view of a snowy path near a school fence with a parent and child walking together
未来への道は、誰かと一緒に歩くことで見えやすくなります。

進路の作戦は五万とある


進路に行き詰まったとき、人は「もうこの道しかない」と感じやすくなります。でも実際には、作戦は五万とあります。

同じ高校進学でも、全日制、定時制、通信制、単位制などがあります。登校日数の少ない形もあります。学び直しを大切にする場所もあります。高校卒業資格を目指しながら、アルバイトや好きな活動と両立する道もあります。

大切なのは、最初から完璧な道を選ぶことではありません。


  • 今の体力で続けられる形を探す

  • 苦手な環境を避ける工夫をする

  • 途中で変えられる余地を残す

  • 相談できる人を決めておく

  • 小さな成功を積み重ねる


「できるかな」と考えることも大事です。でも、それだけだと不安の声が大きくなります。

その中に少しでも「やってみたい」があるなら、その気持ちは大切にしていいものです。できるかどうかは、作戦を立てながら確かめればいいのです。


どこからでもいつからでも未来は作り出せる


今、学校に行けていない。勉強が遅れている。人と会うのが怖い。前に決めた進路が合わなくなった。


そんな状態でも、未来が閉じたわけではありません。スタートの時期は一人ひとり違います。早く走れるときもあれば、立ち止まる時期もあります。大事なのは、止まった自分を責め続けることではなく、次の一歩を一緒に探すことです。


進路支援の基本姿勢は、子どもを急がせることではありません。保護者の不安を無視することでもありません。本人の気持ち、家庭の状況、学校や地域の選択肢を重ねながら、無理の少ない道を組み立てていくことです。


怖がらずに、諦めずに、相談してください。言葉にならない不安でもかまいません。「何がしたいかわからない」から始めても大丈夫です。

未来は、どこからでも、いつからでも作り出せます。まずは「できるかな」よりも、「少しやってみたい」を一緒に見つけるところから始めましょう。


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​Author Profile

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​山本 享幸  (やまもと たかゆき)​

札幌市生まれ。幼少期に父を亡くし、母子家庭で育つ。
家庭や進路の制約を経験したことが、現在の学習支援活動の原点。

現在は、
・総合保険代理店 支社長
・マネースクール 校長
として、金融教育の普及にも携わっている。

​理事長

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